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畑・釣り・読書、暮らしあれこれ

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茨城県旧大洋村に月3〜4回通っての菜園生活に終止符を打ちましたが、いまも退職者仲間での野菜作りを続けています。菜園のこと釣りや歴史散歩を中心に、82歳になり鈍くなってきた感性を呼び起こしながらこのブログを続けるつもりです。

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「江戸のなかの日本、日本のなかの江戸」を読む

著者(編者) ピーター・ノコス(ブリティッシュ・コロンビア大学教授)
      ジャームス・E・ケテラー(シカゴ大学教授)
      小島康敬(国際基督教大学特任教授)
出版   柏書房(2016年12月10日 第1刷発行)

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 この書には、2013年カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で開催された学術会議で発表されたもので、13本の論文がが収められている。
 そこには、名誉、兄弟喧嘩、悪ガキ、国学者、琉球・沖縄、春画、エロス、聖人、『学問のススメ』、賎民、国體、国民国家、ナショナリズムなど多様なテーマで18・19世紀の日本が問いなおされている。
 訳者である大野ロベルト(日本社会事業大学講師)は「あとがき」でつぎのようにいう。
「飛翔する鶴の姿に個人と集団の関係性が滲み、大家の次男坊の苦しみが炙り出され、いたずら小僧たちが秩序の要となり、好事家たちの知的かつ愉快な集いがそれぞれの都市に咲き乱れ、性への欲求が権威を吹き飛ばすようなこう笑の波に呑まれ…と、執筆者の十人十色の知的冒険の記録である本書は、近世と近代という危うい均衡を保つ二つの時代、「公」と「私」という曖昧な輪郭を持つ二つの領域にまたがって、日本という一つの共同体にそれぞれの個人がどのように結びついてきたのかを、極めて暗喩的な方法で思索する。それは言い換えれば、日本がどのように想像/創造されてきたかの探求であり、同時に、創造力を欠いた、非創造的な姿勢で歴史に向き合おうとする人々への警鐘ともなっているのである。」



by sm-116 | 2017-03-18 15:00 | 読書 | Trackback | Comments(0)

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