「ホームレス農園」を読む
著者 小島希世子(「株式会社えと菜園」代表取締役)
出版 河出書房新社(2014年10月30日 初版発行)
「おいしい野菜を食べてもらう」ために「株式会社えと菜園」という会社を立ち上げて、熊本の農家からの直送のオンラインショップを運営している著者だが、自らも藤沢市の郊外に農園を持ち野菜を作っている。
さらに「農」の感動を伝えるべく体験農園も運営している。その農園の管理にホームレスやニート、生活保護受給者を採用し、そこでの体験や研修をもとに人手不足の農業者を育成しようとする。「農家の数が減り、農業の担い手が減っている今、それを食い止め、さらに上向きにするには、新しい働き手がどうしても必要だ。…その新しい働き手として、私が一番ふさわしいと考えるのがホームレスや生活保護受給者やニートたちだった」という。
そんな簡単な問題ではないと思いながら、猪突猛進する、若い元気な女性の姿に感心する。行動することで、さらに深みのある実践が進展することを期待したい。