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畑・釣り・読書、暮らしあれこれ

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茨城県旧大洋村に月3〜4回通っての菜園生活に終止符を打ちましたが、いまも退職者仲間での野菜作りを続けています。菜園のこと釣りや歴史散歩を中心に、82歳になり鈍くなってきた感性を呼び起こしながらこのブログを続けるつもりです。

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「新選組 多摩党の虚実」を読む

副題  土方歳三・日野宿・佐藤彦五郎
著者  神津 陽
出版  彩流社(2004年9月10日第1刷発行)
「新選組 多摩党の虚実」を読む_e0019686_2021759.jpg
 東京多摩地域における新選組と自由民権運動への関心から、この著書にたどりつく。
 内容は以下の通りである。
 第1章 謎解きの渕まで
 第2章 新選組のふるさと多摩郡・日野
 第3章 日野宿内紛史
 第4章 新選組異聞

 著者の課題意識を抜き書きしてみると以下のようになる。
・なぜ多摩では百姓の剣術修行が容認されたのか。なぜ新選組は…内部粛正を重ね暴力集団として純化したのか。なぜ農家の穀潰し連中が…指導権を握れたのか。なぜ敗北必至の戦闘への転戦をえらんだのか。〜こうした問題意識に共感できる。
・江戸時代を通じて百姓・町人が剣の力で武士になれたケースは新選組褒賞が初めてだ。…武家と百姓・町人の身分を峻別し、武士以外の剣術修行禁止令が何度も出されている江戸時代に、なぜ武州多摩地方でのみ名主が率先して天然理心琉に入門し、百姓の剣術修行が黙認されたのか…
・新選組の地元がなぜ自由民権運動に地滑りしたか、武州世直し一揆鎮圧した日野農兵隊の流れがどのような形で民権思想と結びつくのか、素朴な疑問に応え得る研究は少ないし評価も定まっていないようだ。

以上のような課題意識をもって、著者は日野宿における「上下佐藤家」の紛争に着目し、史料を分析し、推理をすすめている。紛争の歴史のなかで、土方歳三や新選組を支えた佐藤彦五郎が政治力を学びとったのではという。



by sm-116 | 2018-02-08 20:28 | 読書 | Trackback | Comments(0)

by sm-116